ゲーミングPCのファンがうるさいと感じたことはないでしょうか?もしかしたら、ゲーミングPCが壊れる前兆の可能性もあります。
本記事では、ファンがうるさくなる原因と異音の対策法を紹介。見分けにくいゲーミングPCに使われているファンの種類なども細かく解説しているので、ファンの交換の際などぜひ参考にしてみてください。
なお、静音性に特化したゲーミングPCのおすすめモデルを紹介した記事もあるので、合わせてどうぞ。

ゲーミングPCのファンがうるさい原因

ファンにホコリが溜まっている
ファンにホコリが溜まっていると、PC起動時の騒音や異音などの原因になります。熱がこもりやすい状態になり、ファンが異常回転することで騒音が発生するという仕組み。
対処法としては、ファンに溜まったホコリを掃除するだけで問題ありません。掃除をしたにも関わらず、まだ騒音がする場合は、本記事で紹介しているほかの原因が考えられます。
ゲームやエンコードなどでパソコンに負荷がかかっている
ゲームプレイ中や動画のエンコード作業など、ゲーミングPCに高い負荷がかかっているとファンがうるさくなる場合があります。
ファンに特に異常がなくてもうるさくなってしまうことも多いです。
高い負荷がかかるとゲーミングPC内部にあるパーツの温度が上がり、熱暴走を起こして壊れてしまうため、熱をファンで外部に逃がす必要があります。
高負荷時はより多くの熱を逃がすためにファンが高速回転し、ファンがうるさくなってしまうのです。
冷却性能が落ちて内部が高温になっている
ゲーミングPCの冷却性能が落ちて内部が高温になっていると、排熱のためファンがうるさくなる場合があります。
ファンの吸気口が塞がれて上手く冷却ができない場合も、高温になりやすいため注意。
例えば、ノートPCカバーを取り付けている場合です。最近のノートPCは底面にアルミなどの熱伝導性が高い素材を使っており、熱を机に直接逃がす設計になっています。
しかし、ノートPCカバーが排熱の妨げになると当然内部が高温になりファンがうるさくなります。
物理的にファンが故障して異音が出ている
そもそも物理的にファンが故障してしまい、異音が発生している場合も考えられます。
数年単位で使用していたファンでは、経年劣化により回転軸がずれたり、内部パーツが摩耗することでうるさくなってしまうことも。
また、ケーブル類などがファンに接触していることで異音が発生することもあります。
ゲーミングPCのファンを静音化する方法

タスクマネージャーでアプリを落として負荷を下げる
処理を軽くするためにタスクマネージャーで起動中のアプリを落として負荷を下げましょう。
タスクマネージャーを起動する方法は、「ESCキー」、「CTRLキー」、「SHIFTキー」の同時押し。
またはタスクバーを右クリックし、「タスクマネージャー」をクリックしましょう。
CPUやグラボに負荷がかかるアプリを優先的に落としていきます。
プロセスの「CPU」、「GPU」をクリックするとそれぞれの使用率が高い順でソートされるため目安にしてみてください。
回りっぱなしなら専用ソフトの設定でファンの回転数を下げる
負荷が高くない状態でもファンが高速で回りっぱなしの時は、専用ソフトを使ってファンの回転数を落としましょう。
ファンコントロールソフトはCPUの使用率やCPUの温度に応じて柔軟にファンの回転数を制御できるソフトです。
ASUSやMSI製のマザーボードを使用している方であればそれぞれ「ASUS AI Suite」、「Dragon Center」といったファンの制御やCPUのオーバークロックができる多機能なソフトが付属されています。
ファンの回転数を制御できるソフトはほかにも「FanCtrl」や「SpeedFan」などがあります。
ファンのホコリを掃除する
ファンやケースの吸気口などを掃除をしましょう。ゲーミングPC内部にホコリが溜まると熱がうまく排出できず、ファンの音がうるさくなりやすいです。
掃除の際にはエアダスターの使用がおすすめ。掃除機やホコリ取りは静電気が発生しやすいためゲーミングPCの掃除には向きません。
ゲーミングPCの電源を落とし、数分程度置いておくことで回路内の電気が完全に放電されるため、より安全に掃除ができるようになります。
ゲーミングノートPCなら冷却台を使う
ゲーミングノートPCを使っている人は専用の冷却台がおすすめ。
熱くなりやすいゲーミングノートPCの底面を効率的に冷やせるため、PC本体のファンの回転数も低くなります。
KEYNICEの冷却ファン付きノートPC用冷却台は手元に温度計とファンコントローラーがついているためPCの負荷に応じて細かくファンの回転数を制御可能です。
高さ調整機能と滑り止めもついているため普通のノートPCスタンドとしても使用できるようになっています。
おすすめの静音ファンに交換する
ゲーミングPCのケースファンを静音ファンに交換するとPCは圧倒的に静かになります。例えば、Noctuaのファンは高性能かつ静音性抜群で人気なケース用ファンです。
ただし、ケース用ファンを選ぶときはよくサイズを確認しましょう。一般的には12cmファンまたは14cmファンが取り付けられていることが多いです。
見落としがちですがファンの厚みも考慮してください。小さなケースを使用している、巨大なグラボを使用しているときはファンが干渉する可能性もあるので注意が必要です。
水冷CPUクーラーに交換する
CPUクーラーは空冷式がメジャーですが、より冷却性能が高い水冷式もおすすめです。
水冷式CPUクーラーは熱交換効率がよく、加えてゲーミングPCのケース内部へ温かい空気を拡散しない構造のため冷却性能が高くなります。
NZXT KRAKEN Z63 簡易水冷CPUクーラーは本格的な水冷CPUクーラーに比べて設置が非常に簡単といったメリットがあります。
KRAKEN Z63は見た目にもこだわっており、CPUクーラーのヘッド部分にフルカラー液晶が搭載されています。
専用ソフトと連携すればCPUの温度の表示ができるようになっています。
20MB以下のGIFアニメーションを再生できるといった遊び心もあり、静音性だけでなくビジュアル面にこだわっている人にもおすすめです。
静音仕様のPCケースに交換する
PCケースを防音・静音仕様のものに変えてみるのも1つの手です。
防音・静音仕様のPCケースにはケースの内側に防音材が敷き詰められているなどケース外部に音が漏れにくい工夫がされています。
Fractal Design Define 7 Compact Whiteはデザイン性・機能性で有名なDefineシリーズのコンパクトモデルです。
各パネルには高密度な防音材が採用されています。ケーストップは防音パネルだけでなく、冷却性に特化したパネルにも交換可能。
サイドパネルの開閉はドライバーいらずのラッチ機構なのも嬉しいポイントです。ケースは黒色だけでなく白色もラインナップされています。
ゲーミングPCのファンがうるさい時にやってはいけないこと

異音がするまま使い続ける
ファンやHDDからの異音を放置して使い続けるとパーツが破損する可能性があります。
ケーブルの引っ掛かりや他パーツとの干渉をしていないかの確認が必要です。特にHDDから異音がするときは、データが全て消えてしまう可能性もあるため早急に対処しましょう。
またファンが常にうるさい状態での放置も熱がこもりすぎているので危険です。熱暴走によるパーツの故障、最悪の場合は発火することも考えられます。
電源をつけたまま掃除する
ホコリの掃除をするときは必ず電源を落としてコンセントを抜いてから行いましょう。もし掃除中に電気が流れると、ゲーミングPCの故障の原因となります。
ファンの回転に指を巻き込まれてけがをする、感電するといった可能性もあり人体にとっても非常に危険。
コンセントを抜いても回路内部に電気が残っていることがあるため、5分ほど放置するとより効果的です。
濡れた布巾などで拭く
汚れが落としやすいからといって、濡れた布巾などでゲーミングPCを拭くのはやめておきましょう。
水気・湿気は回路にとっての天敵。水気が回路内部に侵入するとショートしてゲーミングPCが故障する可能性があります。
場合によっては火災につながる危険性もあり非常に危険です。また湿気は回路基盤自体を腐食する可能性もあり、思わぬ故障などのトラブルをまねくことも。
静電気対策を怠る
掃除の際には静電気対策も忘れずに。
実は静電気は数千ボルトの電気が流れており、簡単にゲーミングPCの回路を破壊します。
静電気によるPCパーツの破損は個所・原因の特定が非常に困難です。
静電気防止手袋の着用をする、またはゲーミングPCを触る前に金属部分に手を当てるなどの対策をしましょう。
ゲーミングPCに搭載されているファンの種類

CPUクーラーのファン
CPUクーラーは、マザーボードの真ん中よりも少し上の位置にあり、直接ファンがマザーボードに引っ付いているように見えるモノがCPUクーラーです。
CPUはゲーミングPCのなかで最も熱くなりやすいパーツで、通常時であれば40〜50℃、高負荷時であれば100℃近くまで発熱することも。
そんなCPUを冷やすために、高速でCPUクーラーのファンが回転し、うるさくなるケースも多々あるため、空冷よりも静かな簡易水冷タイプのCPUクーラーが人気です。
PCケースのファン
ゲーミングPCのケース内部の熱をケース外部に逃がすためのファンが、PCケースのファンです。
PCケース内部に冷たい空気を入れるための吸気ファンと、PCケース外部に温かい空気を排出する排気ファンがあります。
PCケースによって構造やケースファンの位置は異なりますが、基本的にはケース前面や底面が吸気ファン、ケース後面や上面に排気ファンが搭載されている場合が多いです。
吸気ファンか排気ファンかの判断にはティッシュペーパーを使うと便利。
ファンに巻き込まない程度にティッシュペーパーを近づけると風向きで吸気か排気かが分かります。
どちらも障害物になるようなモノを置くことを避けたほうがいいですが、特に排気ファンの周囲には注意しましょう。
グラボのファン
グラボを冷やすためにも当然ファンが搭載されています。
グラボはPCケース背面にディスプレイ用の端子が複数個ついているパーツで、一般的なPCケースであればグラボのファンは下向きについている事が多いです。
ファンが吸った空気で内部のGPUチップなどを冷やし、PCケース外部やグラボの周りに温かい空気を排気するようになっています。
また、最近のグラボは一定の温度にならないとファンが回転しないセミファンレス仕様のモデルが多いです。
電源ユニットのファン
ゲーミングPCの電源ユニットにもファンが搭載されています。電源ユニットはコンセントからきている交流電力を直流電力に変換しています。
この電力変換の際にロスしたエネルギーが熱エネルギーとして放出されるので、冷やすためのファンが必要です。
また、電源ユニットの電源変換効率を表す80PLUSプログラムという規格があります。
STANDARDとTITANIUMでは最大で14%も変換効率の差があり、この差分はほとんど熱として放出されます。
熱はパーツの寿命を縮めたり、消費電力増対にもつながるためできるだけ高変換効率の電源ユニットを購入しましょう。
HDDの中にあるディスクの回転音かも?
HDDの経年劣化や故障によりゲーミングPCから異音が発生している可能性があります。
HDD内部には金属製のディスクが入っており、データを読み込み・書み込みをするときにこのディスクが回転します。
経年劣化によりHDD内部の部品同士がこすれ、「シャー」や「シーッ」といった音が鳴ることがあります。
ディスクの回転音が聞こえてきたらHDDの寿命が近づいていますので交換や修理を検討してみてください。
ゲーミングPCのファンがうるさい時によくある質問
ファンの回転数の目安は?
ゲーミングPCのケースファンの回転数はおおよそ1500RPM程度の製品が多いです。
静音ファンは1000RPM程度の製品が多く、低回転であればあるほど風切り音は小さくなります。
ファンの直径を大きくするとより低回転で動作させることができるため、静音性を高くしたいときは14cmなどの大きめのファンを選びましょう。
急にファンがうるさくなったんだけどどうすればいい?
ゲーミングPCのファンが急にうるさくなったときは、何らかのアプリなどが原因で負荷が急に高くなった可能性が高いです。
本記事で解説しているゲーミングPCのファンの音を静かにする方法を参考にして、動作中のアプリの確認や、不要なアプリを落として負荷を下げてみてください。
ゲーミングPCのキュルキュル音は?
ゲーミングPCから「キュルキュル」と異音がなり始めたら、HDDに異常が起こっている可能性が高いです。
経年劣化による故障の前兆なので、新しいHDDやSSDにデータをバックアップすることをおすすめします。
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