PCの頭脳であるCPUを販売している主な企業は、IntelとAMDです。
どちらもアメリカの大企業であり、長年競争して、CPUの性能を高めてきました。現在は、どちらを選んでもあまり困ることはありませんが、それぞれ得意な分野があります。
本記事ではIntelとAMDの違いを解説して、おすすめのゲーミングPCを紹介していきます。
【結論】IntelとAMDどっちを選ぶべき?

ゲームをするならIntel
ゲームをメインに使うならIntel Coreシリーズをおすすめします。
シングルスレッド性能が高いIntel Coreシリーズのほうが、ゲームには有利なのでAMD Ryzenよりフレームレートが出やすいです。
また、第12世代Coreシリーズは大きくゲーム性能が向上しており、下位グレードの「Core i5-12400」でもゲーム用として十分な性能があり、コスパも非常に高いです。
配信をしたり、ゲーム以外の作業もするなら「Core i7-12700」以上を選べば、なにをやるにも困ることはなくなります。
動画編集などのクリエイティブ用途ならAMD
クリエイティブな性能を求めるなら、AMD Ryzenのほうが、コスパは上になります。
マルチスレッド性能が高いと、CGレンダリングや動画編集などの作業を高速に行えるからです。
グラボと組み合わせる必要はありますが、AMD Ryzenは低価格帯の「Ryzen 5 4500」でも6コア12スレッドなので、コスパが高くなっています。
第4世代Ryzenのハイスペックモデル「Ryzen 7 5800X」や「Ryzen 9 5900X」も発売当初より、大きく値下がりしているため入手しやすいのも魅力です。
IntelとAMDのCPUの違い
IntelとAMDのCPUの違いは以下のとおり。
価格
世代にもよりますが、IntelよりもAMDのほうが価格はやや安いです。
Core i7でさえ4コア8スレッドだった時代に販売されたAMD Ryzenは、8コア16スレッドのマルチコアCPUを現実的な価格で入手できる画期的な製品でした。
AMD Ryzenは複数のチップを1つのダイに乗せることで、製造コストを落として、安価に提供できたのです。
ただ、第4世代以降のRyzenはゲーム性能が上がったものの、価格が高くなっているので、いつでもAMDのほうが安いわけではありません。
2023年1月現在は、Intelの第13世代Coreシリーズや第5世代Ryzenが販売された影響で、Ryzen 7 5700Xなどのコスパが非常によくなっています。
ゲーム性能
ゲーム性能に関してはほとんどの場合、AMDよりもIntelのほうが優秀です。
CPUの内部には物理コアがあり、コアが多いと複数の作業をスムーズに処理できるようになります。
ゲームでもある程度のコアは使われますが、全てを使い切れるわけではないので、クロック周波数のほうが重要です。
厳密にはCPU構造も影響しているため、世代によって違いがあります。
ただ、多くの場合はAMD Ryzenより、シングルスレッド性能の高いIntel Coreシリーズのほうがゲーム性能では有利です。
消費電力とワットパフォーマンス
消費電力ではAMD Ryzenのほうが優れていることが多いです。
Intel Coreシリーズは、高い負荷をかけると電力を大きく消費する傾向があります。
AMD Ryzenは負荷をかけてもTDPより少し上くらいで収まり、ハイスペックなRyzen 7でも30~40W程度オーバーするくらいです。
ミドルクラスのRyzen 5 5600Xでは、TDPが65Wに対して高負荷時の消費電力は72~77W程度と省電力になっています。
Intelも第12世代で改善されていますが、ワットパフォーマンスでは、AMD Ryzenのほうがやや上です。
シェア率
Intelのシェア率は約8割で、AMDは約2割です。
市場シェアではIntelのほうが大きく勝っているため知名度が高く、最適化されているソフトウェアも多くなっています。
AMDもRyzenの登場からシェア率を伸ばしており、PS5を始めとした家庭用ゲーム機にCPUとグラボを提供している大企業です。
Intel、AMDともに高い技術で競争を続けているので、シェア率だけではCPU性能の優劣は決まりません。
Intel CoreとAMD RyzenのCPU性能比較表
IntelのCPUを搭載したおすすめパソコン
ドスパラ ガレリア RM5C-R36T
バランスのいいゲーム性能が魅力!冷却機能も高いコスパモデル
おすすめ度:4
タイプ | ミドルタワー |
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CPUメーカー | Intel |
CPU | Core i5-12400 |
グラフィックチップ | Nvidia RTX 3060 Ti |
メモリ容量 | 16GB |
SSD容量 | 500GB |
HDD容量 | – – – |
電源 | 650W |
OS | Windows |
- グラボとCPUのバランスが良好
- 140mmの冷却ファンを標準搭載
- 奥行き約440mmの扱いやすいケース
- 4Kの高解像度でゲームをしたい人
IntelCPUと「RTX 3060 Ti」を搭載したゲーミングPC。
IntelのCore i5-12400は、前世代よりゲーム性能が上がっているため、RTX 3060 Tiの性能をより引き出してくれます。
約幅220mm×奥行き440×高さ425mmと、ゲーミングPCとしては比較的コンパクトなサイズながら、140mmの冷却ファンを搭載しているのもポイントです。
ファンは大きくなるほど風量を確保しながら、ゆっくり回せるので静音性を高めてくれます。
ほとんどのゲームを快適にプレイできる性能があるので、初心者にもおすすめのモデルです。
ドスパラ ガレリア ZL7C-R37TH
Intelの第12世代Core i7を搭載!動画編集も快適なハイエンドモデル
おすすめ度:5
タイプ | ノート |
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CPUメーカー | Intel |
CPU | Core i7-12700H |
GPU | Nvidia RTX 3070 Ti |
メモリ容量 | 32GB |
SSD容量 | 1TB |
画面サイズと対応Hz | 16インチ/165Hz |
本体サイズ | 幅358×奥行247×高さ20.0mm |
重量 | 約2.15kg |
OS | Windows |
- コアが増えたCore i7-12700Hを搭載
- DDR5メモリが32GBの大容量
- 解像度が作業領域の広いWUXGA
- 特になし
Intelの第12世代CPU「Core i7-12700H」と、ハイエンドグラボ「RTX 3070 Ti」を搭載したゲーミングノートPCです。
ディスプレイ解像度がフルHDよりも、縦に広いWUXGAなのがポイント。
ゲームではマイナーな解像度ですが、一度に表示できる情報量がフルHDより多いため、動画編集などの作業にも使いやすくなっています。
メモリはDDR5を採用しており、大容量の32GBを標準搭載しているので、不足を感じることはありません。
総合的な性能が高いので、メイン機として使えるゲーミングノートPCが欲しい方におすすめします。
ドスパラ ガレリア RM5C-G60S
Core i5-12400搭載!初心者向けのゲーミングPC
おすすめ度:3.5
タイプ | ミニタワー |
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CPUメーカー | Intel |
CPU | Core i5-12400 |
グラフィックチップ | Nvidia GTX 1660 SUPER |
メモリ容量 | 16GB |
SSD容量 | 500GB |
HDD容量 | – – – |
電源 | 550W |
OS | Windows |
- 軽いゲームなら高フレームレートを狙える
- ななめ45度のコンソールパネルが使いやすい
- 標準構成なら翌日出荷対応
- 重量級のゲームを高設定でプレイしたい人
Intelの第12世代CPU「Core i5-12400」を搭載したゲーミングPC。
グラボにはエントリー向けの「GTX 1660 SUPER」を採用しており、VALORANTのフルHD、低設定ではシーンにもよりますが平均370fpsの高フレームレートが出せます。
軽いゲームならWQHDも視野に入れられる性能があり、フルHDなら重量級のタイトルでも、設定を下げればプレイ可能です。
SSDの容量が500GBとゲーミングPCとしてはやや少ないので、カスタマイズで1TBに増やすのをおすすめします。
ドスパラ ガレリア UL7C-R36
240Hzの高速ディスプレイ!持ち運びもしやすいゲーミングノートPC
おすすめ度:4.5
タイプ | ノート |
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CPUメーカー | Intel |
CPU | Core i7-11800H |
GPU | Nvidia RTX 3060 |
メモリ容量 | 16GB |
SSD容量 | 500GB |
画面サイズと対応Hz | 15.6インチ/240Hz |
本体サイズ | 幅356×奥行234×高さ21.6mm |
重量 | 約1.96kg |
OS | Windows |
- 240Hzの高速ディスプレイ搭載
- ノートながら高い冷却性能
- バッテリー駆動時間が最大9.6時間
- ゲームをたくさんインストールする人
UL7C-R36は、Intelとドスパラが共同開発したゲーミングノートPCです。
ミドルスペックのグラボ「RTX 3060」を搭載しており、Apex LegendsではシーンにもよりますがフルHD、低設定で約180fpsの高いフレームレートが出せます。
240Hzの高速ディスプレイを採用しているので、FPSゲームでは設定を落とせばカクつきが少なく、なめらかな映像でプレイ可能です。
ゲームを十分に楽しめるゲーミングノートPCながら、バッテリーは最大で約9.6時間もつのもポイント。約1.96kgと軽量なので、頻繁にノートPCを持ち運ぶ方にもおすすめです。
ビジネスにも|ドスパラ ガレリア RL7C-R35H
高性能でも約2.0kgと軽量!シンプルデザインでどこでも使える
おすすめ度:3
タイプ | ノート |
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CPUメーカー | Intel |
CPU | Core i7-12700H |
GPU | Nvidia RTX 3050 |
メモリ容量 | 16GB |
SSD容量 | 512GB |
画面サイズとHz | 16インチ/165Hz |
本体サイズ | 幅358×奥行き247×高さ19mm |
重量 | 約2.0kg |
OS | Windows |
- 使う場所を選ばないシンプルなデザイン
- ゲームだけでなくビジネスにも使える性能
- 軽量ながら耐久性の高いアルミ製の筐体
- サイバーパンク2077のような重いゲームをしたい人
RL7C-R35Hは、Intelの第12世代CPU「Core i7-12700H」を搭載したゲーミングノートPCです。
16インチのディスプレイを搭載したモデルながら、狭いベゼルのお陰で一般的なノートPCよりもコンパクト。
高さは約19mm、重さが約2.0kgと軽量なこともあり、持ち運びやすいモデルです。デザインもシンプルながら、高級感があるので使う場所にも困りません。
また、解像度はフルHDより縦方向に広いWUXGAなので、一度に閲覧できる情報量が多いのもポイントです。
グラボには「RTX 3050」を採用しており、ビジネス用としても十分高性能なので、普段使いのノートPCを探している方にもおすすめします。
AMDのCPUを搭載したおすすめパソコン
ドスパラ ガレリア ZA7R-R37
第5世代Ryzen搭載!クリエイティブな作業にも使える高スペックモデル
おすすめ度:4
タイプ | ミドルタワー |
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CPUメーカー | AMD |
CPU | Ryzen 7 7700X |
グラフィックチップ | Nvidia RTX 3070 |
メモリ容量 | 16GB |
SSD容量 | 1TB |
HDD容量 | – – – |
電源 | 750W |
OS | Windows |
- AMD最新のRyzen 7 7700Xを搭載
- 重いゲームでも快適にプレイできる
- 高速なNvme SSDを1TB標準搭載
- Intelに有利なゲームをメインでプレイする人
ZA7R-R37はAMDの第5世代CPU「Ryzen 7 7700X」を搭載した最新のハイスペックモデル。
第5世代RyzenはIntelの第12世代Core iシリーズに匹敵するほど、シングルスレッド性能が伸び、ゲーム性能も大きく向上しています。
搭載されているグラボは「RTX 3070」なので、CPUがボトルネックになり、フレームレートが伸び悩む心配もありません。
SSDの容量は1TBと十分ですが、カスタマイズでセカンドストレージを追加すると、動画編集などでデータを保存しやすくなり、より快適になります。
ASUS TUF Gaming A15 FA506IEB-R7R3050TW11
CPUもグラボもAMD!ハイスペックで白いゲーミングノートPC
おすすめ度:5
タイプ | ノート |
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CPUメーカー | AMD |
CPU | Ryzen 7 6800HS |
GPU | Radeon RX 6800S |
メモリ容量 | 32GB |
SSD容量 | 1TB |
画面サイズと対応Hz | 14インチ/144Hz |
本体サイズ | 幅312×奥行256×高さ22.8mm |
重量 | 約1.72kg |
OS | Windows |
- ディスプレイがWQXGAで作業領域が広い
- RyzenとRadeonを組み合わせたAMD構成
- 上品なホワイトの筐体
- GeForceに最適化されたゲームをメインに遊ぶ人
AMDのCPUとグラボを搭載したASUSのゲーミングブランド「ROG」シリーズのハイスペックモデルです。
「Ryzen 7 6800HS」に、ノート版のRTX 3070に近い性能を持っている「RX 6800S」を組み合わせているのがポイント。
RyzenとRadeonはどちらもAMDの製品なので、性能を向上させるSmart Access Memoryが使えるようになっています。
重量は約1.72kgと非常に軽量。バッテリー駆動時間も最大で10.7時間と長いので持ち運びにも便利です。
メモリは32GB、SSDも1TBとハイスペックにまとまったゲーミングノートPCなので、メイン機としてもおすすめできます。
ASUS TUF Gaming A15 FA506IEB-R7R3050TW11
“240Hzモニターが魅力!17.3インチのハイスペックゲーミングノートPC
おすすめ度:5
タイプ | ノート |
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CPUメーカー | AMD |
CPU | Ryzen 7 6800H |
GPU | Nvidia RTX 3080 |
メモリ容量 | 16GB |
SSD容量 | 512GB |
画面サイズと対応Hz | 17.3インチ/240Hz |
本体サイズ | 幅395×奥行282.1×高さ23.4mm |
重量 | 約2.75kg |
OS | Windows |
- 240Hzの高速ディスプレイ採用
- Nキーロールオーバーに対応したキーボード
- 冷却性能が高い
- ゲームを多くプレイしたい人
17インチの大画面ディスプレイを備えたROGシリーズのゲーミングノートPC。
AMDの「Ryzen 7 6800H」を搭載しており、グラボにはハイエンドの「RTX 3080」を採用しています。
CPUグリスに、液体金属グリスを使用しているのもポイント。6本のヒートパイプを備えた冷却システムもあって効率よくPCを冷やしてくれます。
キーボードにRGB LEDが搭載されており、ASUS AURA SYNCを使えばイルミネーションの同期も可能です。
17インチ、WQHDの大きなディスプレイが気になった方はチェックしてみてください。
ドスパラ ガレリア RM5R-G60S
フルHDでカジュアルにゲームをプレイできる入門機
おすすめ度:3
タイプ | ミニタワー |
---|---|
CPUメーカー | AMD |
CPU | Ryzen 5 4500 |
グラフィックチップ | Nvidia GTX 1660 SUPER |
メモリ容量 | 16GB |
SSD容量 | 500GB |
HDD容量 | – – – |
電源 | 550W |
OS | Windows |
- 6コア12スレッドのRyzen 5 4500を搭載
- 安価ながら高いマルチスレッド性能
- 静音性が高い
- 高いフレームレートでゲームをしたい人
「Ryzen 5 4500」を搭載したエントリークラスのゲーミングPCです。
Ryzen 5 4500は第3世代のRyzenと同じ構造のCPU。同じく第3世代のミドルクラスである「Ryzen 5 3600」に近いスペックを持っています。
ゲーム性能はやや劣りますが、6コア12スレッドのCPUを搭載しているため、安価ながらマルチスレッド性能が高いのが魅力です。
「GTX 1660 SUPER」との組み合わせはバランスもいいので、60fpsでゲームをプレイできれば十分という方におすすめします。
ASUS TUF Gaming A15 FA506IEB-R7R3050TW11
持ち運びにおすすめ!アメリカの軍事規格に準拠した頑丈なモデル
おすすめ度:3.5
タイプ | ノート |
---|---|
CPUメーカー | AMD |
CPU | Ryzen 7 4800H |
GPU | Nvidia RTX 3050 Ti |
メモリ容量 | 16GB |
SSD容量 | 512GB |
画面サイズと対応Hz | 15.6インチ/144Hz |
本体サイズ | 幅359.8×奥行256×高さ22.8mm |
重量 | 約2.3kg |
OS | Windows |
- MIL規格をクリアした丈夫な筐体
- ノートながら8コア16スレッドのCPUを搭載
- ASUSあんしん保証に無料登録できる
- ゲームを大量にインストールしたい人
ASUSのゲーミングブランド「TUF」シリーズのゲーミングノートPC。
ノートPCながら8コア16スレッドの「Ryzen 7 4800H」を搭載しており、マルチスレッド性能が高く、ゲーム以外の作業にも対応できるコスパのいいモデルです。
TUFシリーズはアメリカの軍事規格に準拠したテストを突破しているので、耐久性が高いのもポイント。
3つのヒートシンクを搭載した冷却システムにより、長時間ゲームをプレイしてもパフォーマンスが低下しづらいです。
頑丈で、コスパのいいゲーミングノートPCを探している方はチェックしてみてください。
IntelとAMDの違いでよくある質問
Ryzenが安い理由とは?
AMD Ryzenが安い理由は、生産体制の違いです。
Intelは自社の工場でCPUを製造していますが、AMDはCPUの設計だけ行い、生産は台湾の半導体企業「TSMC」に委託してコストを抑えています。
また、Ryzenは複数のチップを使って1つのCPUを作る構造なので、安価に製造が可能だったのも理由の一つです。
AMD Ryzenは低価格で高性能を提供できたからこそ、Intelと競争できるようになりました。
Ryzenはゲームに不向き?
2022年現在ではAMD Ryzenも十分なゲーム性能を持っていますが、Intel Coreシリーズの第13世代と比較すると、ゲームに不向きなのはAMDといえます。
AMD RyzenはFF14など相性があまりよくないタイトルもあり、Intel Coreシリーズの方がフレームレートの平均値が安定しやすいです。
Ryzenだと動かないソフトがある?
AMD Ryzenで完全に動かないソフトはありませんが、相性問題について語られることは多いです。
現在は解消されていますが、Windows 11がリリースされたばかりの頃、Ryzen環境だとPCの性能が低下することもありました。
基本的にソフトはシェア率が高いCPUに最適化されるため、無難に使いたいのならIntelをおすすめします。
ただ、オフィスやエクセルなど一般的なソフトはRyzenでも問題なく使えるので、あまり心配する必要はありません。
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