- PCを自作したいけど、CPUについて分からない事が沢山ある
- CPUの役割が知りたい
- 初心者向けに分かりやすく解説してほしい
はじめまして、たぶーら( @daramemolog1202)です。
今回は上記の方向けに、11個の疑問を解決する記事を書きました。
画像や表を使って分かりやすいように解説しましたので、気軽に読んで頂ければと思います。
【基本編】CPUの11個の疑問解説【世代・コア数・スレッド数など】
今回は下記について、簡単に解説していきます。
下にいくにつれてコアな情報になっていきますが、PCを自作したい方にとってはどれも重要な情報ですので、ぜひ目を通して下さい。
CPUの役割とは何か
キーボードやマウスの操作情報を処理したり、計算をしたりするのが、CPUの役割です。
PCパーツはよく、人の体や作業机・車の部品などで例えられます。
ここでは、CPUは頭脳・データは木材・メモリは作業机・HDDは物置き小屋、PCで行う作業は家具作り、と考えてください。
家具作りをする際、まずは使用する『木材(データ)を物置き小屋(HDD)から作業机(メモリ)に持っていきます』よね。
それから、持ってきた木材を人間が『頭を使って処理』するわけですが、この処理を担当するのが、頭脳であるCPUの役割です。
ちなみに、『メモリを増やせば処理が速くなる』と思われる方がいますが、厳密に言えば少し違います。
例えば、木材を3つまで載せられる作業机があったとします。実際に処理しなければならないのは5つの木材です。
頭脳はまず、作業机に載っている3つの木材を処理します。
それから、残った2つの木材を物置き小屋まで受け取りに行くという動作をしなければなりません。
しかし、作業机の幅が広かったら、その分木材を多く載せる事ができます。5つの木材を載せられる作業机の場合、物置き小屋まで取りに行く手間が省けるわけです。
つまり、『メモリを増やせば処理が速くなる』のではなく、『メモリを増やせば無駄な処理時間が無くなる』というのが正解なんです。
少し長くなったのでまとめると、
- データを処理する
- 計算する
のが、CPUの主な役割です。
CPUの世代とは何か
世代とは、そのCPUがどの時期に販売されたかを示すものです。
毎年新しいiPhoneが販売されるように、CPUも性能が向上されたものが後から販売されます。
一番目に販売されたものを第1世代、その次に販売されたものを第2世代と呼び、現在(2021年1月)は第10世代が最新の世代となっています。

世代はどうやって確認すればいいの?
CPUの世代は、製品名から確認できます。例えば、僕が使っているCPU『Core i7-8700K』の場合
- CPUのシリーズ
- 世代
- 製品番号
- モデル
となります。CPUの世代が知りたい時は、②の数字を見ましょう。
基本的に、CPUは世代に比例して性能も良くなるので、CPUを購入する際は世代をチェックしてみましょう。
CPUのコア数とは何か
CPUには、コアという計算やデータの処理を行うパーツの集まりがあります。
そのコアがCPUにいくつあるのかを表すのが、コア数です。
例えば4つの作業を行う際、コアが1つだけしか無いCPUの場合、1つの作業を終えてから次の作業を処理する必要があるので、処理に時間がかかります。
しかし、コアが4つあれば、4つの作業を同時に処理できるため、上記に比べ処理速度が速くなります。
コアが多ければ多いほど、CPUの性能は良くなると考えましょう。
ゲームや動画編集をする場合に必要なコア数はこちらの記事『【自作PC用】2021年おすすめのCPUまとめ【画像付解説】』で紹介していますので、合わせてお読み下さい。
CPUのスレッド数とは何か
スレッド数とは、一つのコアが同時に処理できる作業の数です。例えば、『Core i7-8700K』は、
上記のとおり、6コア12スレッドです。1コアあたりに2スレッドなので、一つのコアが同時に処理できる作業は二つとなります。
これが6コア6スレッド=1コアあたり1スレッドだった場合、一つのコアが処理できる作業は一つまでなので、6コア12スレッドと比べると処理が遅くなります。
ただ、ここで注意が必要なのは、実際にコア数が増えている訳ではないという事。
6コア12スレッドと12コア12スレッドの場合、後者の方がコア数が多いため、性能は高くなります。
CPUのクロック数とは何か
クロック数とは、クロックと呼ばれる信号が1秒間にどれぐらい発生するか数値化したものです(単位はHz)。
この数値が高ければ高いほど、CPUの性能は高くなります。
いまいちピンと来ないかもしれませんが、クロック数は脈拍数で考えてみると分かりやすいです。
脈拍数が高ければ高いほど、運ぶ血液の量は多くなりますよね。
それと同じで、クロック数が高ければ高くなるほど、CPUが処理できるデータの量も増えます。
脈拍数が高ければ高いほど、運ぶ血液の量は多くなります。それと同様に、クロック数が高ければ高いほど、CPUが処理できるデータの量も増えます。

じゃあ、クロック数を見れば性能差が分かるんだね?
実は、そうとは限りません。
例えば、『Core i3-4170』と『Core i7-8700K』は同じ3.7Ghzですが、性能は『Core i7-8700K』の方が上です。
種類や世代が新しいものになればそれだけ設計が変わり、より高性能なCPUになります。
クロック数を見て比較する時は、対象のCPUがどちらも同一種類(Core iシリーズなど)・同一世代であることを確認してからにしましょう。
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【応用編】CPUの11個の疑問解説【適正な温度・使用率・オーバークロックなど】
以上が、CPUの疑問基本編でした。これからは応用編です。
少しコアな疑問も入ってきますが、PCを自作するのであれば必須な知識となりますので、ぜひ読み進めて下さい。
CPUとGPUの違い
CPUとGPUの違いについては下記表・動画が分かりやすいです。
種類 | 主な役割 | コア数(最大) | 得意な事 |
---|---|---|---|
CPU | (PC周辺機器を含む)データを取り出し、処理・実行する | ~56 | 複雑な処理を集中して行う |
GPU | 3Dなどの画像処理 | ~5000以上 | 簡単な処理を大量に並列して行う |
この動画では、CPU(に見立てたマシン)は一つひとつペイント弾を撃っているのに対し、GPU(に見立てたマシン)は一気に何個ものペイント弾を撃っています。
CPUは『複雑な処理を集中して行う』のが得意で、GPUは『簡単な処理を大量に並列して行う』のが得意という違いがあるんです。
CPU使用率とは何か
CPU使用率とは、1秒間にどれだけCPUが処理を実行したかを表す数値です。
瞬間的にCPU使用率が100%になる場合は問題無いですが、長時間CPU使用率が100%になる場合は注意が必要。
動作が重い・カクつくといった症状が出る可能性があります。
CPU使用率が100%の場合、どのような影響があるのか
短期的にCPU使用率が100%の状態になるのは問題ありません。
しかしながら、長期的に100%になる場合、『動作が重い・カクつく』以外にも、(きちんと冷却が出来ていないと)発熱してしまい、PC自体(CPU周辺のパーツ)の寿命が短くなってしまう可能性があります。
CPUの温度を計測し、80度以上を超えるようであれば一旦作業を止めましょう。
CPUの適正・適切な温度は何度か
CPUの温度に関しても、下記表をご覧になった方が分かりやすいかと思います。
温度 | 状態 |
---|---|
~40度 | 低負荷の状態。問題なし |
40~80度 | 負荷がかかっている状態。問題なし |
80度以上 | 高い負荷がかかっている状態。十分な冷却が出来ていない。 |
おおよそ80度までが正常な範囲で、それを超えるようであれば安全とは言えない状態でしょう。
冷却などの対応が必要です。
CPUが高温になってしまった時の対処法【温度の下げ方・グリスの塗り方など】
CPUが高温になってしまった場合の対処法は以下の通り
- 新しいCPUクーラーを購入する
- グリスを塗る
- ホコリをエアーダスターで取り除く
新しいCPUクーラーを購入する
CPUクーラーには『空冷・簡易水冷・水冷』の3種類あります。
PC自作に慣れていない方は取り付けの簡単な空冷、そうでない方はよく冷える簡易水冷をおすすめします。
PCケースの大きさなどにもよりますが、僕が推すのは以下のCPUクーラー。

空冷式なら!

簡易水冷式なら!
グリスを塗る
グリスとは、CPUをより冷ましやすくするために塗るものです。
CPUクーラーを取り付ける際は必ずグリスを塗ります。
1000円ちょっとで購入できるので、CPUクーラーと一緒に購入しましょう。
塗り方は2通りあります。
- CPUの中心に小指の第一関節サイズより気持ち少なめの量グリスを出し、CPUクーラーをそのまま着ける
- 量は①と同じで、CPU全面に均等になるよう塗る
どちらもさほど効果は変わりません。お好きな塗り方を選んで下さい。ちなみに、僕がグリスを塗る時はいつも②の方法で塗っています。
ホコリをエアーダスターで取り除く
CPUクーラーにホコリが溜まると、うまく排熱できず、熱がこもってしまう原因となります。
CPUクーラーだけでなく、PC全体のホコリを取り除くと、ケース内に熱がこもりにくくなり、結果温度が低くなります。
ホコリがたまるとCPU以外のパーツの動作にも影響が出てしまうので、定期的に掃除しましょう。
CPUをオーバークロックするとはどういう意味か
オーバークロックとは、標準のクロック数よりも高いクロック数で処理を行えるようにすることです。
CPUを限界突破させるようなイメージが分かりやすいかと思います。
性能の向上が目的ですが、規定の能力を超えて動作させるため、場合によっては不具合・故障などの原因となる可能性もあります。
初心者の方は手を出さず、まずは知識を付けてから行うようにしましょう。

ちなみに、OC可能なCPUは限られており、例えば製品末尾にKと付いているCPUなどがOC可能です。
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【おまけ】自分が使っているPCのCPUを調べる方法
これまでの解説を読んで、『自分が使ってるCPUって何だったっけ……』と思われた方がいらっしゃるかもしれませんので、自分が使っているPCのCPUを調べる方法を解説します。
まず、デスクトップ画面の何も無いところで右クリックしてから、『ディスプレイ設定』をクリックします。
次に、『バージョン情報』をクリックします。
『デバイスの使用』のプロセッサ欄に記載されているのが、現在使用しているCPUの情報です。

実装RAM欄はメモリが何GBあるかが記載されています
【おまけ】CPU使用率の確認の仕方
赤枠部分を右クリックします。
『タスクマネージャー』を開き、『パフォーマンス』をクリックします。
赤枠欄が、CPU使用率です。
【画像付】CPUの役割や適正温度などまとめ【11個の疑問解説】まとめ
今回は『【画像付】CPUの適正温度やOCなど解説まとめ【11個の疑問に答えます】』という内容で記事を書きました。
こちらの記事『【自作PC用】2021年おすすめのCPUまとめ【画像付解説】』では、CPUを選ぶポイントと、そのポイント全てに当てはまるおすすめのCPUを紹介しているので、ぜひ合わせてお読み下さい。
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